バルタン誠路nのブログ

聖書についての随想、書籍感想

ダビデの偉大さ 神殿建設準備

歴代誌第一22:14-16

「見なさい。私は困難な中で主の宮のために、金十万タラント、銀百万タラントを用意した。また、青銅と鉄はあまりに多くて量りきれない。それに、木材と石材も用意した。あなたは、これらにもっと加えなさい。あなたのもとには、石を切り出す者、石や木に細工する者、各種の仕事に熟練した者など、多くの仕事をする者がいて、金、銀、青銅、鉄を扱うが、その人数は数えきれない。立ち上がって、実行しなさい。主があなたとともにいてくださるように。」

 

同28:2

ダビデ王は立ち上がって、こう言った。「私の兄弟たち、私の民よ。私の言うことを聞きなさい。私は主の契約の箱のため、私たちの神の足台のために安息の家を建てる志を持ち、建築の用意をしてきた。」

 

同28:11-12a

ダビデはその子ソロモンに、玄関広間、神殿、宝物室、屋上の間、内部屋、贖いの間などの設計図を授けた。
28:12 設計図は、すべて御霊によって彼に示された。」

 

同29:12a

「富と誉れは御前から出ます。あなたはすべてのものを支配しておられます。」

 

同29:14

「このように自ら進んで献げる力を持っているとしても、私は何者なのでしょう、私の民は何者なのでしょう。すべてはあなたから出たのであり、私たちは御手から出たものをあなたに献げたにすぎません。」

 

 ダビデは、若い時から主の宮を建てたいという願いを強く持っていた。しかし、ナタンを通じて、神様から「お前は多くの血を流してきた軍人だから、それには相応しくない。あなたの子がそれをする。」と言われた。

 

 私なら「せっかく良い志をずっと秘め持っていたのを公にしたのに、それに水を差すなんて!」とヘソを曲げてクサるのではないかと思う。しかし、ダビデはむしろ、その事業は息子がなうべきことと公式に言われたことを、自分および自分の子孫への破格の名誉と考え、大きな感謝を主に捧げる。

 

 しかし、それに止まらないのがダビデの偉大さだ。冒頭にいくつか引用した聖句からわかることは、ダビデは「あなたがするのではない。」と言われた後も、神殿建設の「準備」は全力で続けたのだ。それにはあらゆる種類の材料、人材がある。

 

 そして、今回新たに教えられたのは、実は、設計図は、ソロモンにではなく「御霊によって」「ダビデ」に与えられたのだ。ここまでくると、もう実際に誰が建てるかは、問題でなくなってくるのであろう。ダビデは嬉しかったに違いない。自分は建設者としては神に選ばれなかった。しかし、金、銀、木材、熟練工などを力の限り集めることは、神様から止められなかった。

 

 そして、それを続けている時に、神様から神殿と庭、付帯設備すべての設計図を御霊によって示された。ダビデは、この上なく嬉しかったに違いない。もしかしたら、自分が神殿建設を実行して完成したならば感じたであろう達成感以上の喜びをこの時ダビデは感じたのではないか。それまで、知らなかった程に深いところで主を知ることができたと感じたのではないだろうか。

 

 「富と誉れは御前から出ます。あなたはすべてのものを支配しておられます。」

自分は、若い時、こんなに良い願いはないだろう、といって、神殿建設を夢見てきた。しかし、それを神様によって止められなければ味わうことができなかった、深い深い喜びを、準備は続けることで得られたのではないだろうか。