バルタン誠路nのブログ

聖書についての随想、書籍感想

ルカ福音書は徹底的にマリア中心(ヨセフに対して)

ルカ福音書でヨセフについての言及は

 

①1:27・・・マリアへの受胎告知、マリアの婚約者として言及

②2:4・・・人口登録、ナザレからベツレヘムへの旅

③2:16・・・クリスマスの夜、羊飼いらが探し当てた先で「マリアとヨセフ」と記述

④3:23・・・ルカにおける系図の最初、マタイの系図にはマリアの名があるがルカの系図にはマリアの名はなく、ヨセフだけ。

⑤4:22・・・ナザレで受け入れられない話で「ヨセフの子ではないか」とヨセフは価値ないものとして言及

 

以上、5か所、6回のみ。

ヨセフの言葉は一つも記されていない。

ヨセフの行動も②のみ。これも、どちらかというと、ナザレからベツレヘムへの移動は、身重のマリアの方に重点がある。

ヨセフという名への言及は結局、マリアとの絡みか、イエスダビデの血を引いていることの言及でしか出てこない。

 

それに対してマリアは、

①受胎告知での天使とのやり取り

②エリサベツ訪問

③マリアの賛歌

④羊飼いが去った後の思いめぐらし

⑤老シメオンからの不吉な予告

⑥12歳のイエスのはぐれのときの発言、出来事の心留

 

と、ルカ福音書において、イエスが公生涯をスタートする以前のストーリーの主役である。

 

ルカ福音書では、ヨセフには脇役しか振られていない。

 

ルカは1:3で福音書を書くにあたり、自分で詳しく調べたと記している。もしかしたら、まだ、存命だったマリアにインタビューして書いたのかもしれない。それが、マリアに詳しい理由の一つかもしれない。

 

また、よく言われるようにルカに流れる女性に多くスポットを当てる思想的な流れも関係しているのかもしれない。