バルタン誠路nのブログ

聖書についての随想、書籍感想

ニーチェ

「しなやかな超人」か「完璧なひきこもり」か 対談ー西研✖斎藤環 「ニーチェ ツァラトゥストラ」(西研)

「しなやかな超人」か「完璧なひきこもり」か 対談ー西研✖斎藤環 西 ニーチェが説いた超人のように、他者からの承認を必要とせず、自分が本当にやりたいこと、内側から溢れ出てくるものを見つけられないのも原因かな、といまのお話を聞いて思ったのですが。 …

「悦びと創造性の精神」をもって生きる 「ニーチェ ツァラトゥストラ」(西研)

「悦びと創造性の精神」をもって生きる さて、最後に、「表現のゲーム」を育てていくさいに大切なポイントをお話しして、第4章を終えたいと思います。それは、先にあげた三つの意義の①に関係してくるのですが、「安心して語り合える空間はどうやったらつく…

第3章 永遠回帰とは何か 「ニーチェ ツァラトゥストラ」(西研)

第3章永遠回帰とは何か 人生のあらゆるものが永遠に戻ってくる 本章ではいよいよ「永遠回帰」を取り上げます。正確には「同じもの(同一物)の永遠回帰」といいます。 『ツァラトゥストラ』第三部、第四部のテーマであると同時に、この本の中心思想といってい…

ルサンチマン 「ニーチェ ツァラトゥストラ」(西研)

ルサンチマン――無力からする意志の歯ぎしり 以上、ニーチェの人となりがわかるように人生を追ってきましたが、この章では『ツァラトゥストラ』を理解するうえで大切な言葉を一つ覚えていただけたらよいと思います。一つは「ルサンチマン」で、もう一つは「価…

尋ね合う関係(西研「ニーチェ ツァラトゥストラ」より)

尋ね合う関係が場のなかにできていくと、メンバーは安心します。誤解が少なくなり、仮に誤解が生まれてもすぐにその場で訂正ができるからです。「本当に自分がいいたいことをいついっても大丈夫なんだ」という安心感が生まれる。この安心感が土台となって、…

自立(西研「ニーチェ ツァラトゥストラ」より)

…目の見えない学生が大学のゼミに来たことがあります。ゼミ生もぼくもどこまで気を遣えば良いのか、あるいは気を遣う必要はないのか、よくわからなくて、最初少し戸惑いがありました。どこで、「何か必要なことがありますか?」と彼に聞くと、「では一つだけ…